沿革と概要

西日本心理劇学会から日本臨床心理劇学会への移行

 

日本臨床心理劇学会

理事長 針塚 進

 

 日本臨床心理劇学会は、2018年2月18日の西日本心理劇学会総会における会則変更にともない、2018年4月1日より西日本心理劇学会から「日本臨床心理劇学会」と名称変更を行い、西日本地区学会から全国学会として出発しました。 

この度学会名を「日本臨床心理劇学会」と名称変更するに至った理由と経緯についてご説明申し上げます。

 先の西日本心理劇学会は、学会の開祖というべき迎孝久先生が昭和50年に立ち上げられた九州心理劇研究会から出発し、心理劇の実践的な活動と研究が盛んになったことにより平成元年に九州心理劇学会となりました。さらに、会員が九州及び沖縄地区を超えて中国・四国地区にも広がったことから平成3年2月24日に西日本心理劇学会と名称を変更いたしました。その後27年間にわたり西日本心理劇学会は、会員各位の情熱とご協力により学会大会の開催及び学会誌「心理劇研究」の発行を続けてきておりました。この間、保健・医療、福祉、教育、矯正および産業などの領域において心理劇の実践と研究が一層活発に行われるようになって来ました。さらに、その実践や研究の輪が広がり西日本地区以外の東北、関東地区の会員も増えつつありました。また、現代社会のストレスへの対応や社会的適応に難しさのある人への支援さらには子どもの学校適応や学校教育における教育方法の展開などに集団心理療法としての心理劇や実践的なロールプレイングなどが積極的に取り入れられるような現況になってきました。

 これまで、西日本心理劇学会の活動としては、医療・保健、福祉、教育そして矯正などの領域において心理劇を適用した臨床や実践活動を中心としながらもそれらの活動に有用となる心理劇のワークショップさらには臨床・実践に寄与する研究なども行われてきておりました。特に2016年度には学会独自の資格制度もつくり、資格授与も行なわれました。

 以上のような状況から心理劇を臨床や実践活動に用いている方々、また心理劇の臨床・実践活動等に関心のある方々がより広く相互に交流を持ち連携できる学会として発展し、人間関係や社会的適応が不調であったり、発達上の問題を抱える人たちがより良く生活できるよう支援する心理劇の更なる展開を願って、西日本心理劇学会から「日本臨床心理劇学会」と名称変更し、再出発をした次第です。

 心理劇(サイコドラマ)の定義や捉え方は多様だと思いますが、本学会では基本的には次のように考えています。「心理劇は、社会劇も含めモレノによって創始された集団心理療法の一つであり、特にロール・プレイング(役割演技)を用いた即興劇的な方法により、個人の創造的自発性を育み、その個人が他者との関係の中でより適応的な行為が可能になるように援助する集団心理療法である」ということです。しかし、心理劇はセラピーという視点だけはなく、教育、福祉、矯正、産業などの領域での教育活動や対人援助的実践における対人的な相互理解や自己理解の方法でもあると考えております。

従いまして、本学会では、心理劇を用いた臨床,実践または心理劇に関する研究を行っている方、あるいは心理劇に関心を持っている方が会員になって下さることを願っております。

多くの皆さまと心理劇を通した新たなる出会いと交流が出来ますことを祈ってご挨拶とさせていただきます。

 

 日本臨床心理劇学会は、心理劇に関する研究の推進、技術の育成と交流を目的に、主に九州及び中国四国地方において30年以上にわたって活動を続けている学会です。心理劇の研究・実践を行っている方、あるいは関心を有している方ならどなたでも入会できます。

 事務局は九州大学におかれ、研究大会の開催(年1回)、学会誌「心理劇研究」の発行(年1~2冊)、学会ワークショップの開催(年1回夏季)を中心に,心理劇に関する各種情報を提供しております。

 

日本臨床心理劇学会会則.pdf
PDFファイル 143.1 KB

日本臨床心理劇学会事務局

所在地及び連絡先

〒819-0395

福岡市 西区 元岡744

九州大学大学院

人間環境学府附属

総合臨床心理センター内

日本臨床心理劇学会事務局

 

(更新後)

FAX: 092-802-6431

資格認定委員会事務局

所在地及び連絡先

〒739-8524

東広島市鏡山1-1-1

広島大学大学院

人間社会科学研究科 心理学プログラム

服巻研究室内

日本臨床心理劇学会

資格認定委員会事務局

 

TEL: 082-424-6769

Email:nishigekishikaku@gmail.com